先日、Zeal記事紹介の一部にあまり関係ない日銀マイナス金利について書きました。私的にはこのニュースを聞いた時に一番最初に不思議に思ったのは日銀の量的緩和をどうするのだろうということです。日銀は財務省から直接国債を買うことは禁じられているので、一旦市中銀行が国債を購入し、その後市場を通じて国債を購入します。このとき支払い代金は日銀の当座預金口座に振り込まれ、ここに0.1%の付利をツケます。市中銀行からすると預金するだけで0.1%の利息が付く安全な運用先となります。 たとえばゆうちょ銀行をみてもかなりな額を当座預金運用(これを運用と呼べるのかどうか疑問ですが、普通なら政府補助金と呼ぶべき性質のものです。)しています。今は超低金利ですので、個人顧客の定期預金でも利ざやが出てしまいます。市中銀行が日銀に国債を売却する際のインセンティブはここにありました。でも今後の日銀当座預金がマイナス金利となると市中銀行のインセンティブが無くなります。だいぶ前から2年物5年物国債の金利はマイナスになっており、今回の日銀発表で、今日の10年物国債の金利はわずかプラス0.055%になりました。(なぜかこの10年物金利がここまで下がったことも日経の記事になりませんし、2年物5年物がだいぶ前からマイナス金利になっていることも日経記事になっていないような気がします、私の見落としかなあ)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=GJGB2%3AIND
http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=GJGB5%3AIND

一年ものとなるともう随分と前からマイナスです。このブログでも紹介しています。
http://zerohedgejapan.blog.jp/archives/1042897240.html

日銀の買い上げ約束がないと市中銀行がこの国債を購入する理由が見当たりません。でも黒田さんは財務省きっての秀才だそうで、こんな馬鹿なことが起きないような準備をしていると思うのですがどうでしょう? 日銀は年間80兆円の国債を購入すると約束していますが、これが本当に実施できるのか疑問に思ったわけです。

日銀発表から数日たちますがネットを検索してもこの件に関する解説が見当たりません。黒田総裁の記者会見でもこの件を質問しなかったのでしょうか?良くわかりません。

今後の量的緩和に関してみなさんはどうお考えでしょうか?ネット記事紹介でも結構です。

先日のブログ内容を再度コピーします。
http://zerohedgejapan.blog.jp/archives/1051018558.html
今回の日銀のマイナス金利ですが、日銀のHPを見ると実際の内容はなんかゴマカシで、 既存の当座預金への0.1%付利はそのままということですよね、2月意向に預けた当座預金を-0.1%とマイナス金利にするわけで、実質的には今の 0.1%の付利を全体で0.09%にしますというのと同じような気がします。「マイナス金利」という言葉が出たことが最大のサプライズで、そう政策に変更 があったとは思えません。今でも当座預金に0.1%の付利を与えるというのは銀行に年間何千億円もの補助金を与えているようなものですものね。

ひ とつ疑問があります。日銀は量的緩和も継続しているわけで、年間80兆円の国債購入は続けます。この購入代金がマイナス金利となると市中銀行が一旦政府か ら国債を買ってすぐに日銀に売却するという構図がうまく機能するのかどうかすこし気になります。でもたぶん日銀が国債の満期額よりも高い額で買取ります (マイナス金利でもまだ利益が出る額で買取ります。)という事前約束をするのでしょうね、たぶん。なんかもう滅茶苦茶という感じですが、そもそも日銀が国 債を買い取るというのが滅茶苦茶な金融政策でしたから、なんでもありなんでしょう。